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給湯器の水漏れ放置はなぜ危険なのか?
そしてどんな対処が適切なのかを解説します。
ご家庭の「給湯器」で発生しやすいトラブルは、ずばり「水漏れ」です。
たかが水漏れと軽視する方もいらっしゃいますが、実は給湯器の水漏れを放置してしまうと、場合によっては命に関わる事態に発展する可能性もあります。
「大げさな」と思われるかもしれませんが、水まわりのプロとして、給湯器の水漏れを確認したら、早めに適切な対処を実践することを強くお勧めします。
それはどうしてなのか、そして給湯器の水漏れにはどんな対処が適切なのか、本記事でくわしく解説していきます。
給湯器の水漏れ放置は危険!
いざという時の適切な対処法とは
給湯器の水漏れ放置は危険!
いざという時の適切な対処法とは
水漏れが発覚すると、誰しも慌ててしまうことでしょう。
しかし、まずは落ち着きましょう。
適切に対処すれば、被害を最小限に食い止めることができます。
以下の手順で対処し、水漏れによる影響を最小限に抑えましょう。
まずは給湯器を停止させ、電源を抜いて通電しないようにします。
水漏れが起きている状態で給湯器が通電し、運転可能な状況にあることは非常に危険な状態です。
水漏れの修理を行う前に、まずは給湯器が動かないようにすることが先決になります。
その際、手が水に濡れている状態で電源系統に触ると、「感電」のリスクがありますので、手が濡れていないことをよく確認してください。
給湯器の通電を遮断できたら、次は水の供給を遮断するために給水元栓を閉めてください。
水漏れを放置していると、いつまでも水が流れ出つづけることになります。自然に止まることはありません。
放置することのリスクは後ほど詳しく解説しますが、給湯器の給水元栓を閉めれば、簡単に水の供給をストップでき、それ以上の水漏れの心配はなくなります。
もちろん、そのままでは給湯器が使えなくなり、不便な生活を強いられることになってしまいますので、これはあくまでも応急処置です。
本格的な問題解決については、これも後ほど詳しく解説します。
安全を確保できたら、次は給湯器のどこから水漏れが発生しているのかを確認してください。
このとき、「水抜き栓」から水が出ているのなら、ひとまず安心できます。
水抜き栓から水が出ているのは給湯器の機能上問題ないことであり、給湯器の機器内部の減圧や、給湯器の凍結防止のために水が抜けていることが考えられます。この場合は、給水元栓と電源を元に戻し、お湯を出してみて問題なければ、そのまま使い続けても問題ないでしょう。
電気と水の流れを遮断できれば、それ以上の被害拡大はひとまず食い止めることができるでしょう。
給湯器の水漏れ放置は危険!
いざという時の適切な対処法とは
給湯器から水漏れが発生する原因は、主に以下の4つの理由が考えられます。
なお、上に書いたうように、水漏れしている箇所が「水抜き栓」であれば問題ありませんので、それ以外の箇所から水漏れしている場合には、その個所に何らかの問題が生じているということです。
最もよくある給湯器の水漏れ原因は、「給湯器内部の部品が経年劣化を起こしている」ことです。
多くのご家庭では、とくに冬場には毎日のように給湯器を使用しますので、内部部品の劣化は起こりやすくなっています。
給湯器で特に劣化しやすい部品は「ゴムパッキン」です。
これは短ければ5年、長くても10年使用すれば劣化してしまうもので、パッキンとしての役割を十分に果たせなくなったために水漏れを起こす可能性が高くなります。
使用開始から10年も経過していれば、パッキン以外の部品が劣化してそこから水漏れすることは十分に考えられるでしょう。
部品の在庫があれば、交換することで水漏れを解消できる可能性が高いのですが、問題は「交換する部品を調達できるか?」ということです。経年劣化を起こすほど年数が経過しているということは、すでにその給湯器の部品は製造終了している可能性も考えられるのです。
もし、業者に相談しても交換用の部品が手に入らない場合は、その給湯器自体の寿命だと考えるしかありません。給湯器ごと買い替えることをおすすめします。
お住いの地域によっては、「配管の凍結」が原因で給湯器が水漏れを起こすこともあります。
給湯器はお湯を作り出す機器です。つまり水を使いますので、その水を供給し、作り出したお湯を送り出すための配管があります。
その配管の内部に、流れきらなかった水が残るわけですが、気温が急激に低下すると、配管内に残った水が凍結し、凍結・膨張により配管を破裂させてしまう可能性があるのです。
「配管内の水が凍結するほどの低い気温になるのはよほど寒い地方だけじゃないの?」
そういうイメージをお持ちの方も多いでしょう。
ところが、これは寒くない地方だからこそ起こるトラブルなのです。
寒い地方で使用する給湯器には、実はあらかじめ凍結を防止する仕組みが取り入れられています。その機能が役目を果たしている限り、簡単には配管は凍結しないようになっているのです。
しかし、寒くない地方で使用する給湯器には、こうした凍結防止策が取り入れられていないため、急激に気温が低下すると配管が凍結してしまう可能性があるわけです。
もし「長期間、給湯器を使用していなかった」という事情があった場合には、それが水漏れの原因になっている可能性があります。
この場合、さらに2つの原因に分かれます。
・内部の圧力が変化したことで「水抜き栓」から水が排出されている
・放置している間に気温の低い時期があり、配管が凍結・破裂して水漏れが起きている
前者が理由の場合には、基本的に問題はありません。お湯を出してみて、水抜き栓からの水の排出が一時的だった場合には、そのまま使用しても問題ないでしょう。
ただし、水抜き栓からの排水であっても、それが頻繁に発生して改善の見込みがないような場合には、修理の必要があると言えます。
一方で、理由が後者だった場合には、前項に書いたように、配管が破裂しているということですから、そのまま使用することはできません。
冬季の凍結を防止する対策として、長期間給湯機を使用しない際には「水抜き」をしておき、凍結の原因となる水が配管内に残らないようにしておきましょう。
特に、平年だとそこまで寒くならないけれど、天気予報等の情報で「今年は例年よりも寒くなる」ということがわかったら、事前に対処しておきましょう。
本来あってはならないことですが、「給湯器の設置にミスがあった」ことで水漏れを起こしているというケースもあります。
ここまでに挙げた3つの原因は、基本的に「使用してから時間が経過しているケース」です。
もし「給湯器を設置して、すぐに水漏れを起こしているケース」だったら、給湯器の設置に問題があった可能性が高くなります。
ただ、取り付け時に問題があっても、すぐに水漏れを起こさず、使っていく中で取付不備を起こしている箇所に負荷がかかり続け、設置から時間が経過してから水漏れを起こすこともあります。、
いずれにしても、この場合の水漏れの原因は取り付け業者にありますので、すぐに業者に連絡して修理してもらいましょう。
どのような原因であっても「すぐに対処しなければならない」ことには変わりありません。
原因として起こり得る可能性を知っておけば対処できるケースもあります。
給湯器の水漏れ放置は危険!
いざという時の適切な対処法とは
「漏電やガス漏れが危険なのはわかるけど、水漏れしても直接命の危険はないのでは?」
そう思う人もいるでしょう。
しかし、「給湯器の水漏れ」は命の危機につながる可能性があります。
給湯器の水漏れを放置することで起こる最も危険なことは、「一酸化炭素中毒」です。
ニュースで聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
一酸化炭素の発生を放置すると、命に関わる事態に発展する可能性があります。
一酸化炭素が発生する基本的な原因は「不完全燃焼」です。
通常、物が燃える際には酸素を必要とします。ところが水漏れが発生していると酸素不足が起こり、不完全燃焼になって、一酸化炭素が発生してしまいます。
一酸化炭素中毒を起こすと、具体的に次のような症状が表れます。
・頭痛
・吐き気
・めまい
・集中力の低下
・視力の低下
・嘔吐
・眠気
・けいれん
・呼吸障害
・意識障害
一酸化炭素中毒とは、血中のヘモグロビンと強く結びつき、酸素の運搬をできなくして体内の細胞に酸素が行きわたらなくなることです。そして上記のような症状をもたらすのです。
冬にストーブの不完全燃焼が起きたり、練炭自殺などによって人が亡くなるのは、一酸化炭素中毒の結果です。一酸化炭素中毒の症状は、一酸化炭素の濃度が濃く、一酸化炭素にさらされている時間が長いほどに重症化します。
最新型の給湯器では、水漏れにより安全装置が作動して一酸化炭素の発生を防ぐ機能が搭載されていますが、安全装置がない、または故障しているなどの理由によって、一酸化炭素の発生を防ぐことができないケースもあります。
たとえ一酸化炭素が発生しなかったとしても、給湯器が水漏れすると、「足元が水浸しになってしまう」というデメリットを生じさせます。
給湯器の水漏れ箇所の下にある物品が濡れたり、何も置いていなくても水浸しになる影響は小さくないでしょう。
水抜き栓からの排水のように原因が一時的なものならまだいいですが、パッキンの劣化や配管の破裂が原因の水漏れだと、問題のある箇所を修理しない限り、水漏れは続き、決して自然に解消されることはありません。
水浸しになって特に困るのは、「マンションの2階以上にお住いの場合」でしょう。
給湯機から漏れた水は、漏れ出ている水量が多いと自然に蒸発することはなく、足元に水たまりを形成します。
水量によっては床にしみ込んでしまい、2階以上であれば階下の空間に浸水して迷惑をかけることになります。
もし、階下にも同じ位置に給湯器が設置されていれば、その給湯器が故障する原因にもなるかもしれません。いずれにしても大きなトラブルに発展する可能性があるのです。
マンションなどの集合住宅や住宅密集地での一酸化炭素トラブルは多くの人に迷惑をかけることになるでしょう。
給湯器の水漏れ放置は危険!
いざという時の適切な対処法とは
この手の修理作業に関して「業者に頼むとお金がかかるから、自力で修理しよう」と考える方も多いのですが、給湯器の水漏れは自力で修理することをおすすめしません。
給湯機から水漏れしていると、そこさえ直せば問題は解消できると思ってしまうかもしれません。
はたして本当にそうでしょうか?
体の不調を感じて病院に行って診察を受けたら、思っていたのとは別の病気が見つかったという人の話を聞いたことはありませんか。
給湯器の水漏れでも、同じようなことが起こり得るのです。
私たち水コネクトにいただいたご依頼でも、お客様が「パッキンが1か所だけ劣化して水漏れしている」とおっしゃるので、よく調べたら、実は「それ以外のパッキンも破損寸前だった」「配管に破損寸前の劣化が見つかった」というケースがよくあるのです。
給湯機に詳しくない人だと、そうした「意外な破損個所」までは見落としてしまう可能性が高いということです。
給湯器や水回りの作業に慣れていない方だと、ご自分で水漏れを修理しようとして、「失敗」「改悪」になってしまうリスクがあります。
・水漏れしている箇所を修理できない
・水漏れしている箇所の被害が悪化する
・問題のなかった箇所を誤って破損させてしまう
・湯器の修理作業中にケガをしてしまう
ひと口に「パッキンを交換する」といっても、必要な工程は数多く存在します。また破損している個所によって作業の難易度は大きく変わります。
ちゃんと修理できれば問題ありませんが、修理しようとして破損個所を悪化させたり、他の箇所を破損させてしまったりするのはよくあることです。
かりに問題のある個所が1か所だけで、その個所をきちんと修理できたとしましょう。
しかし、「本当に修理できたのだろうか?」という不安は残り、そんな不安な状態のまま日々給湯器を使用しなければならなくなります。
自力で修理しても、「素人による修理」だということは当人が一番よくわかっていることです。完璧に修理できたかどうかは、修理した本人には判断がつきません。
きちんと直ったのかどうかわからない状態だと、水漏れが再発して一酸化炭素中毒になるかもしれないリスクを常に意識しながら給湯器を使い続けることになります。これは大変なストレスですよね。
給湯器の修理を依頼する際には「3社以上での見積もり」を遵守してください。
給湯器の水漏れ放置は危険!
いざという時の適切な対処法とは
給湯器の水漏れは、健康被害をもたらす可能性がありますので、放置することは絶対に危険です。
最初にすべき対処を冷静に実行し、被害状況を確認して、すみやかに業者に修理を依頼しましょう。
器用な方なら自力で修理できなくもありませんが、水回りのプロとして、業者に修理を依頼することを強くおすすめします。
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