水道工事会社｜水コネクト
【水まわりのプロが解説】
老朽化に伴う給水管
取り出し工事の基礎知識

給水管は、そこに住む人にとってまさに命綱のような存在です。しかし、経年劣化により様々な問題が発生します。まず、給水管取り出し工事が必要となる状況と、その判断基準について説明します。

給水管の老朽化による症状と対策

給水管の劣化は、まず「赤水」の発生として現れます。

赤水とは、水道管の内部が腐食することで水にさびが混じり、赤茶色や茶色に濁った状態の水です。

赤水が発生する主な原因は、長時間使用していない配管内に溜まった錆だったり、水道本管工事や断水後の一時的な水の濁りだったりするともありますが、古い給水管の内部腐食が主な原因です。

工事や断水後の一時的な赤水は、しばらく水を流し続けることで解消されますが、日常的に赤水が発生する場合は配管内部の腐食が進んでいることを示す重要なサインと考えられます。

築年数が30年以上の建物や、古い鉄管が使用されている住宅では赤水が発生します。

赤水は健康上の重大な問題を引き起こすことは少ないとされていますが、洗濯物に色が付いたり、飲料水として不快だったりします。何よりも配管の劣化が進行している証拠なので、給水管を新しくすることを検討すべきでしょう。

特に頻繁に赤水が出る場合は、配管の劣化が進んでいる可能性が高いため、専門家による点検をお勧めします。

配管内部のサビによる詰まりは、水圧低下の原因となります。さらに深刻な場合は、配管からの漏水が発生し、水道料金の上昇や建物への損傷につながる可能性があります。

給水管取り出し工事とは

給水管取り出し工事は、私たちの生活に欠かせない水道水を、安全かつ安定的に供給するための重要な工事です。

給水管取り出し工事には大きく分けて、部分的な補修と、配管全体の更新があります。部分的な補修は一時的な対応となりますが、配管の老朽化が進行している場合は、全体の更新をお勧めします。特に築30年以上の建物では、予防的に給水管を新しくすることを検討する時期と言えます。

給水管取り出し工事の最大の目的は、水道本管から各家庭まで、清潔で安全な水を安定的に供給することです。古くなった給水管を交換することで、衛生的な水の供給を確保します。

また、給水管の口径や材質、配管経路を適切に設計・施工することで、必要な水圧を確保するという目的もあります。古い給水管の場合、内部の腐食や詰まりにより水圧が低下することがあり、更新工事によってこれを解消できます。

適切な給水管工事により、配管からの漏水を防ぎ、貴重な水資源の無駄を防ぎます。また、漏水による周辺地盤への影響や建物被害を防ぐことができます。

給水管取り出し工事が必要な状況とは

給水管取り出し工事は、新しい建物を建てる場合や、既存の建物に新たな水道設備を増設する場合にも必要ですが、前項で述べた「赤水」が発生したり、配管内部の詰まりによる流量減少で水圧が低下したり、漏水の発生したり、水道料金が急に上昇したりした場合には、不可欠になります。

また、水道法の改正や自治体の基準変更により、既存の給水管が新しい基準に適合しなくなった場合（有害物質を含む古い管材の交換など）や、地震や大規模な工事による地盤変動で給水管が損傷した場合にも給水管の取り出し工事を行います。

適切な時期に必要な工事を行うことで、快適な水まわり環境を維持することができます。

給水管の更新は慎重な作業と専門的な技術が必要であり、専門の業者でなければ行うことはできません。工事の段階を簡単に説明しましょう。

まず、既存の給水管の状態と経路を詳細に調査します。

水道図面の確認や現地調査を行い、最適な工事計画を立案します。また、工事中の断水に備え、仮設給水の必要性も検討します。

給水管取り出し工事は道路掘削から始まり、既存管の撤去、新管の設置、道路復旧まで、通常3日から1週間程度かかります。特に本管との接続作業は、熟練した技術が必要です。工事中は近隣への影響を最小限に抑えるよう配慮します。

給水管取り出し工事には、様々な行政手続きも行いますので、工事完了後は水道局が検査も行います。

もちろん道路掘削にも、道路管理者への申請と警察署への道路使用許可申請を行います。

工事費用は、現場の状況や工事の規模によって大きく異なります。

一般的な戸建住宅の場合、道路掘削から配管工事、道路復旧までを含めて、50万円から100万円程度が目安となります。ただし、道路掘削の範囲、使用する配管の種類と口径、道路舗装の種類、既存管の撤去作業の難易度、仮設給水を行うかどうかによって費用は変わります。

また、工事中に予期せぬ障害物が見つかった場合や、地下水の湧出により追加の対策が必要になった場合は、当初の見積もりより費用が増加することがあります。また、室内配管との接続工事が必要な場合にも、別途費用が発生します。

給水管取り出し工事中は、一時的に断水することになります。断水時間を最小限に抑えるため、工事業者とは綿密な打ち合わせたほうがいいでしょう。特に飲食店など営業に影響が出る場合は、仮設給水の設置を検討したほうがいいでしょう。工事による騒音や振動についても、事前に近隣への説明を行い、理解を得ることが必要になります。

工事の品質を確保するため、使用する材料は全て水道法に定められた基準を満たすものを使用します。また、工事完了後の保証内容についても、事前に確認しておくことが重要です。一般的な保証期間は5年程度ですが、業者によって異なる場合があります。

自治体によっては、給水管の更新工事に対して補助金を給付する制度があります。

補助金制度の内容は自治体によって異なりますが、一般的には、建物の築年数や工事の規模、世帯の収入基準などの条件があります。

具体的な条件は、お住まいの自治体の水道局に確認してください。

申請は、通常、工事着手前に行う必要があります。

申請に必要な書類は、見積書や図面、写真などです。申請から交付決定までには時間がかかるため、余裕を持って手続きを進めることをお勧めします。