水道工事会社｜水コネクト
突然の水道管破裂トラブルから
家を守る対策

水道管破裂は突然発生するものではありますが、決して偶然によって起こるものではありません。長年にわたって蓄積された要因が限界に達した瞬間に起こる現象です。

水道管破裂の被害は深刻

水道管が破裂すると、被害は秒単位で拡大していきます。
破裂箇所の修理だけでなく、水に濡れた壁紙、フローリング、畳、家具、電化製品などの交換や修理も必要です。さらに厄介なのが、湿気によるカビの発生や建物の構造部分への影響といった二次被害も深刻です。
これを修復する経済的負担は馬鹿になりません。破裂部分の修繕はもちろん、水道料金の急激な増加、濡れた家財の買い替え、場合によっては仮住まいの費用まで発生することがあります。
精神的なストレスもかなりのものです。修理期間中は水道の使用が制限されることがあり、お風呂に入れない、料理ができない、洗濯ができないといった不便さは、想像以上に大きなストレスになります。

水道管破裂の原因を知るべき意味

お家の配管にはどんなリスクがあるのかを知り、水道管破裂の原因を理解すれば、あらかじめ効果的な予防策を講じることができます。万が一破裂が発生した際も、原因を特定することで適切な対処法を選択でき、被害を最小限に抑えられるでしょう。

水道管破裂の原因は多岐にわたりますが、主要な5つの原因について、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。

経年劣化による水道管破裂

まずは経年劣化についてです。

配管の寿命は材質によって大きく異なります。
一般的な塩化ビニール管で20～30年、金属管では15～25年程度とされていますが、実際の寿命は使用環境や水質によって大きく左右されます。年月が経つにつれて、配管内部では様々な変化が起こります。
金属管の場合、錆による腐食がじわじわと進行し、管壁が薄くなっていきます。同時に、錆やカルシウムなどの付着物により管の内径が狭くなり、水圧が上昇します。この二重の圧迫が、最終的に管の破裂につながってしまうわけです。

経年劣化による破裂の前兆を見逃さないようにしましょう。
水の出が悪くなった、水の色が茶色っぽくなることがある、蛇口から出る水に錆の臭いがする、配管から「ゴーゴー」という音がする、水道料金が徐々に上がってきているといった症状が現れたら要注意です。
築20年を超えたお宅では、定期的な配管点検をおすすめします。

凍結による水道管破裂

次に水道管が凍結することによって破裂するケースです。

ご存じのように、水が氷になると体積は約9%増加します。1割にも満たないと軽くみてはいけません。鉄管でさえも内側から押し広げてしまうのです。
特に危険なのは、屋外に露出している配管、断熱材のない壁内の配管、そして寒冷地での床下配管です。
気温がマイナス4℃以下になると凍結のリスクが高まり、マイナス10℃を下回ると非常に危険な状態となります。風の強い日や放射冷却が強い夜間は、気温以上に配管の温度が下がるため注意が必要です。
北海道・東北地方では11月～3月まで長期間にわたって警戒が必要でしょう。関東・中部地方では12月～2月の寒波時に注意が必要で、関西以西では年に数回の寒波時のみですが、対策不備により被害が拡大しやすい傾向があります。

地震・地盤沈下による水道管破裂

日本は地震大国であり、地震が発生すると配管へも影響します。

地震による配管破損は、強い揺れにより配管の接合部が外れてしまう場合、建物の変形に配管が追従できない場合、地盤の不同沈下により配管に引張力や圧縮力が加わる場合という3つのパターンがあります。
特に危険なのは、築年数の古い建物の配管です。
現在の耐震基準を満たしていない建物では、配管の固定方法や材質が地震に弱い可能性が高いでしょう。

工事中ミスによる水道管破裂

意外に思うかもしれませんが、リフォームや改築工事によって水道管が破損してしまうことも、よくあります。

壁の穿孔作業時に、配管の位置を把握せずにドリルで穴を開けてしまったり、床下工事時に配管を踏んだり工具で傷つけてしまったり、設備交換時に既存配管の接続部を損傷してしまったり、外構工事時に敷地内の給水管を重機で破損してしまったり、というケースは珍しくありません。

水道工事を依頼する際は、万が一の事故の際の補償内容、工事保険の加入状況を必ず確認してください。

設置不良による水道管破裂

新築だったら安心というわけではありません。
実際に起こった設置不良の事例としては、パイプ同士の接続が不完全だったために数年後に漏水したり、排水管の勾配が不適切だったために逆流したり、配管の固定が不十分だったために水圧により位置がずれてしまったり、使用環境に適さない材質の配管を使用してしまったりするというものがあります。

水道管が破裂する前に気づくことができれば、被害を最小限に抑えることができます。前兆とも言える兆候がいくつかありますので、それを見逃さないようにしましょう。

水道メーターによる早期発見

水道メーターは、配管の状態を知る最も確実な指標です。正しい読み方をマスターして、トラブルを未然に防いでください。

水道メーターチェックの手順

家中の水を使う場所をすべて止めてから、メーターを30分間ほど観察してみてください。
針が動いていれば、どこかで水が漏れている証拠です。
もし水漏れが確認できたら、1時間でどれくらい漏れているか、流量を確認してみましょう。

メーターチェックは、夜間で水道を使用していないときに行ったり、外出で人がいなくなる前後で比較してみたりするといいでしょう。
月々の水道料金が変化していないかをチェックするのも効果的です。

五感を使った異常検知

音や見た目、臭い、手触りなどによって水道管破裂の前兆を知ることもできます。

音による発見

配管の異常は、音でも分かることがあります。
「シュー」という音は小さな穴からの水漏れ、「ゴーゴー」という音は配管内の異常な水流、「カタカタ」という音は配管の振動や固定不良、「ドン」という音はウォーターハンマー現象を示しています。

見た目による発見

壁や天井のシミや変色、カビの異常発生、塗装の剥がれや膨らみ、床材の浮きや反りなどは配管トラブルのサインかもしれません。

臭いによる発見

カビ臭い匂い、下水のような臭い、湿った土のような臭いがする場合も、どこかで漏水が発生している可能性があります。

手触りによる発見

壁や床の異常な湿り気、冷たさや温度の変化、床の柔らかさの変化なども重要なサインです。

水が噴き出していたり、床が浸水したりといった非常事態に見舞われたら、まず落ち着いて、次のような段取りを踏んでいきましょう。

第1段階：被害拡大の阻止

水道管が破裂した瞬間から、被害は秒単位で拡大していきます。最初の5分間の行動が、被害の規模を決定づけると言っても過言ではありません。

最優先でやるべきは「止水栓を閉める」ことです。
メーターの脇にある止水栓を閉めれば、最も確実に水を止められます。
家全体の止水栓は外壁付近にあり、各設備の個別止水栓はキッチン、トイレ、浴室などにあります。
どの止水栓も右回りで閉まりますが、工具が必要な場合もあるので、水道メーター用の工具を準備しておくといいでしょう。

第2段階：状況の把握と応急処置

水の音がする方向を音を頼りに特定し、床や壁の湿った部分を探して、水がどこから漏れているかを確認し、塞ぎましょう。

小さな穴の場合は、乾いた布を当ててから防水テープで一時的に塞ぎます。
水圧を考慮して、しっかりと固定することが大切です。大きな破裂の場合は、バケツや洗面器で水を受けて、タオルで水の飛散を抑えます。可能であれば応急処置用のパテを使用しましょう。
このときやってはいけないことは、電気系統に水がかかっている状態で作業すること、知識が十分ではないのに無理に修理しようとすること、接着剤やボンドを使って漏水を止めようとすることです。

第3段階：業者への連絡

業者に依頼する場合は、24時間対応してくれたり、地域密着型であったり、料金体系が明朗であったり、保険にも対応してくれたりする業者を選びましょう。

業者に連絡する際には、どこの水道管が破裂しているのか、水漏れの規模はどれくらいか、止水栓は閉めたか、そのほか、建物の構造や築年数、緊急性の度合いなどを伝えましょう。

水道管破裂の修理方法は、原因と破損の程度によって異なりますが、ここではおおよその費用目安をお伝えします。

修理方法の種類と特徴

修理方法には、部品を交換する場合、配管の一部を交換する場合、全面的に配管を更新しなければならない場合の3つがあります。

部分修理（パッチ修理）

小さな亀裂や穴の部分修理にかかる費用は5,000円〜20,000円で、工期は数時間〜1日程度でしょうす。
安価かつ迅速に修理できますが、ある程度の一時的な処置の意味しか無い場合もあります。

配管交換（部分交換）

破裂部分と配管の周辺を修理する場合で、費用は30,000円〜100,000円、工期は1〜3日です。
ある程度、根本的な解決を期待できますが、部分修理よりも手間がかかるために費用も少しかさみます。

全面更新

配管全体が老朽化している場合には、配管そのものを交換しなければならないこともあります。費用は200,000円〜1,000,000円ほどかかり、工期も1週間〜1ヶ月と長期にわたします。
ここまですれば長期的にも安心できます。

費用を左右する要因

上記のように、どの程度の工事かによって費用はまったく変わりますが、工事の規模は、破裂箇所の数、交換が必要な配管の長さ、壁や床の解体が必要かどうかによって決まります。
配管の材質では、塩化ビニール管が比較的安価で、銅管が中程度の価格、ステンレス管は最も高価ですが耐久性は抜群です。
工事の難易度は、配管の設置場所、建物の構造、周辺設備への影響などによっても異なります。
また、平日昼間は通常料金ですが、夜間・早朝は割増料金、休日は割料金、年末年始・GWは特別料金となる水道業者も多いでしょう。

水道管の破裂による被害は、火災保険や家財保険でカバーされることがあります。

火災保険の活用方法

火災保険の補償対象となるのは、突発的な配管破裂による被害の水濡れ事故である場合、外気温低下が原因の破裂による凍結による破損である場合、地震保険に加入している場合の地震による破損である場合が対象です。
通常の老朽化によって経年劣化の結果破損したというケースや、配管そのものの交換にかかる費用や、明らかに管理が不備であることによって破損した場合は、保険の対象外になります。

水道局の減免制度

多くの自治体では、漏水による水道料金の異常増加に対して減免制度を設けています。
この制度を利用するためには、地下漏水等、発見が困難な箇所での漏水であり、過去の使用実績と比べて水道料金が大幅にはね上がっていることが条件で、修理完了の証明書類を提出しなければなりません。
具体的な減免額は、過去1年間の平均使用量を基準として、異常増加分の50～100%ですが、上限額が設定されていることもあります。
修理完了後、速やかに申請し、修理証明書の添付、水道使用量の推移データを提出しましょう。

水道管破裂が起きないようにする防止策として最も確実なのは、日頃のメンテナンスを欠かさないことです。

日常点検をルーティン化しよう

家の中の蛇口をすべて閉めて、水道メーターを30分間観察し、数値を記録して、それを前月と比較するという点検をルーティン化しましょう。もし異常を発見した場合は、即座に調査を行ってください。
給湯器周辺の配管確認、屋外配管の状態チェック、床下点検口からの確認も大切です。
蛇口からの水の色・臭い確認、水圧の変化がないか確認、異音の有無確認も忘れずに行いましょう。

季節ごとの予防対策

冬季の凍結対策として、屋外配管に保温材を巻き付けて蛇口周辺を保護してください。中でも給湯器配管は重点的に保護するのがおすすめです。
また長期間不在にする場合は水道管の中に水が残らないように完全に水抜きしましょう。
極寒時には少量を放水したり、タイマーなどを活用して定期的に水が流れるようにしたり、電気ヒーターを設置したりして、滴下凍結を防止しましょう。

夏場は、屋外配管を遮光したり、配管の膨張に対する対策を行ったりするのがおすすめです。

長期的なメンテナンス計画

ご自宅の築年数に応じて、計画的に配管を更新することを検討しましょう。
築10年時には初回点検を行い、合わせて軽微な修理を行い、築20年時には詳細点検と部分的な更新を検討し、築30年時には全面更新を検討しはじめ、築40年時には全面更新を実施するというのが目安です。

それでは、私たち水コネクトが実際に対処したお客様事案を例に、水道管破裂の原因と対策を具体的に見ていきましょう。

ケース1：凍結による水道管破裂原因の事例

このお客様は、関東地方の住宅地に築30年の木造一戸建てにお住まいでした。
2月上旬に記録的寒波が襲来し、夜間の気温がマイナス8℃まで下降しました。すると、翌朝、キッチンの蛇口をひねっても水が出ず、しばらくすると壁の中から「バキッ」という音がしたかと思うと、その直後、床下から水があふれ出して、あっという間にキッチンが水浸しになってしまいました。

調査の結果、床下配管3箇所で同時破裂していることがわかり、フローリング30㎡の張り替え、キッチン設備一式の交換が必要でした。修理にかかった期間は2週間です。
配管修理費として8万円、フローリング費用25万円、キッチン設備修繕に45万円、仮住まい費用12万円で、総額90万円の費用がかかりましたが、幸い、火災保険で70万円がカバーされ、自己負担は20万円で済みました。

この事例から学べることは、少しの投資で大きな被害を防げるということです。事前に配管に保温材を巻いていれば約5,000円ほどに費用しかかからなかったでしょう。それで90万円の被害を防げていたのです。

ケース2：工事事故による水道管破裂原因の事例

こちらは、築15年のマンションで、洗面台交換工事中の事故事例です。
洗面台の交換工事を行った際に、業者が既存配管の接続部を誤って損傷してしまったことが原因です。その場では小さな傷に見えたため、そのまま工事を続行してしまったのです。
案の定、施工3日後の夜中に、損傷部分が水圧に耐えきれず破裂し、階下への漏水が発生しました。
この結果、自宅の洗面所の床材交換、階下の天井の張り替えと壁紙交換、共用部の廊下の一部修理が必要となりました。修理にかかった費用は総額で35万円でしたが、洗面台交換を行った業者の工事保険で全額が補償されました。さらに休業補償として階下住民への慰謝料5万円も支払われました。
この事例は慎重に工事業者を選ぶことの重要性を示しています。必ず工事保険に加入している業者を選び、万が一の補償内容を事前に確認することが大切です。

ケース3：地震による水道管破裂原因の事例

最後に紹介するのは、築25年の鉄筋コンクリートマンションで、震度5弱の地震が発生した後で水道管が破裂した事例です。
地震発生から2日後、突然、天井から水が滴り始めました。管理会社が調査を行ったところ、天井裏の配管が地震の揺れで継手部分が緩み、徐々に漏水が拡大していたことが判明しました。
最終的には、寝室の天井・壁の修理、家具・寝具の交換、カビ防止処理などを行うことになりました。
配管修理3万円は管理組合が負担しましたが、室内修理18万円、家財交換12万円で総額30万円の個人負担になりました。ただし地震保険で15万円、火災保険で室内被害5万円がカバーされ、自己負担は10万円でした。
地震後は必ず配管の点検を行い、異常がなくても数日間は注意深く観察することの重要性を示す事例です。