水道工事会社｜水コネクト
グリストラップの排水管
詰まりには高圧洗浄が効果的

グリストラップの排水管は、なぜ高圧洗浄する必要があるのでしょうか。

高圧洗浄は、グリストラップの排水管が「ある状態」になって使えなくなるのを防いだり、「ある状態」を解消するために必要な作業なのです。

高圧洗浄が必要な理由 ①
排水管の詰まりを解消するため

グリストラップを使用できなくなってしまう原因は、「排水管の詰まり」です。

ご家庭の排水管も同じですが、排水管は普通に使っているだけでも次第に詰まってしまうものです。

なぜなら、それは排水に混じってさまざまな異物が流れているからです。

ご家庭の排水であれば、

・キッチン排水の食材カスや油
・洗面所や浴室排水の髪の毛や石鹸カス
・洗濯機排水の衣服くずや体毛

といったものが排水管の途中に溜まり、それが堆積して次第に排水の流れを悪くし、最終的に排水管を完全に詰まらせてしまいます。

グリストラップが設置されているのは飲食店の厨房ですから、一般家庭とは比べ物にならないレベルの大量な食材カスや油分が排水と一緒に流れているはずです。

厨房の流し台からグリストラップへと続く排水管はもちろん、グリストラップを通って下水に流れていく排水管にも、そのような異物が少なからず残っています。日頃の適切なメンテナンスを怠っていると、次第に排水管の内部にその異物が堆積していきます。

メンテナンスせずに放置する期間が長くなるほど、その詰まりを解消することは難しくなります。高圧洗浄機のようにパワーのある洗浄方法で異物を取り除かないといけなくなるのです。

高圧洗浄が必要な理由 ②
配水管が詰まるとお店が大変なことに

排水管が詰まるとどんなデメリットが起こるでしょうか。

厨房からの排水の流れが滞り、致命的な状態にまで至ると、簡単には閉塞を解消できなくなり、その結果、厨房の流し台を使用できなくなります。

ご家庭の排水管でも同じですが、排水管が詰まるということは、そこを通る排水の流れが止まってしまうということです。

最初のうちは「ちょっと排水の勢いが悪いかな？」と違和感を感じる程度かもしれませんが、そうしているうちにも詰まりは深刻化し、どんどん排水の流れが悪くなります。

最終的には排水管のどこかが完全に異物でふさがれていまい、まったく排水が流れなくなってしまうのです。

飲食店の厨房では、調理器具や食器などの大量の洗い物が発生しています。もし排水を流せないようなことになったら、厨房は大変なことになるはずです。

実際に厨房排水を流せなくなってしまった飲食店に聞いたことがありますが、排水口の蓋を閉めてシンクに排水を溜め、排水がシンクからあふれそうになったらバケツですくって別のシンクに流さなければならなくなったそうです。そんなことになったら、本当に大変な事態ですね。

確実に厨房の作業は停滞して、調理どころではなくなります。特に繁忙期で多くのお客様が入っていて、洗い物が大量に発生しているような現場では、作業効率が致命的に悪くなるでしょう。

グリストラップの高圧洗浄にかかる料金

そんな高圧洗浄ですが、清掃業者に依頼するといくらぐらいかかるのでしょうか。

これはケースバイケースではありますが、最低でも数万円の料金がかかります。

ただし、清掃業者の料金は、どれだけの作業が必要かで決まります。

手間のかかる作業、複数の作業員が必要な作業では、同じような依頼でも費用は高額になっていきます。「排水管が詰まったから高圧洗浄機で直してほしい」という依頼でも、実際には排水管がどこにあるか、排水管のどこで詰まっているのかで作業の難易度は変わってきますので、いちがいにいくらということは難しいです。

グリストラップの排水管の高圧洗浄も、グリストラップの構造や排水管の位置、詰まりが発生している位置によって難易度が異なりますので、難易度が高いと清掃費用は高額になります。

なお、排水管高圧洗浄の費用が2万円だったとすると、それに「グリストラップ自体の清掃」も合わせて依頼すると、総額4～7万円くらいになるでしょう。

清掃業者がグリストラップの排水管を高圧洗浄するときは、次のような流れで作業を進めます。

グリストラップ高圧洗浄の流れ ①
排水管の状態を確認

清掃作業に入る前に、まずはグリストラップの排水管がどのような状態であるかを確認します。これはどんな業者でも同じです。

「どのくらいスムーズに水が流れているか」「詰まり具合はどの程度か」と排水管を確認し、次に「排水管のどのあたりが詰まっているか」「排水管が詰まった原因は何か」といったことを判断して、効率よく高圧洗浄作業を始められるようにするのです。

グリストラップ高圧洗浄の流れ ②
排水管内部を高圧洗浄機で清掃

排水管の状態を確認する作業が終わったら、次は実際に高圧洗浄機を使用して排水管の清掃作業をスタートします。

グリストラップの排水管内は、油が固まって溜まりやすくなっています。

ただ溜まっているだけなら処理するのはそう難しくありませんが、油が固化して排水管の内壁に付着してしまうと、石のように固化してしまいます。

高圧洗浄機を使用すれば、固まってしまった油汚れもしっかりと除去できです。

流し台の排水口からグリストラップまでの間の排水管を洗浄すると、溜まっていた汚水や油などがそのままグリストラップに流れていきます。

この油カスは「産業廃棄物」として処分しなければなりませんので、一般廃棄物と一緒にならないようにしておきます。

グリストラップ高圧洗浄の流れ ③
清掃後の排水管の状態を確認

排水管内部の汚れをすべて洗い流したら、排水管の状態を再び確認します。

まだ排水管に汚れが残っていると、再度の詰まりの原因になりやすいので、厨房からグリストラップへと排水が問題なく流れていることをよく確認して、清掃作業は完了です。

「本当にきれいになっているのか？」と不安になる人もいるかもしれませんね。

排水管内部を目視確認するために「管内カメラ」を使用して、排水管の内部の状態をくまなくチェックしてくれる業者もあります。

（その際には別途費用が発生しますが、念は念を入れたい方はその作業も依頼してみましょう）

グリストラップは、プロである清掃業者に任せれば、高圧洗浄を含むハイクオリティな清掃作業をこなしてくれますが、そんな事態になる前に、日頃から自力で清掃を行うことも大切です。

自力のグリストラップ清掃 ①
日頃のメンテナンス

グリストラップの清掃を自力で行っていれば、グリストラップの機能を日頃から健全な状態にキープできます。

厨房では日常的に大量の排水を流していますので、グリストラップは一般家庭のシンクや排水管とは比べ物にならないほど汚染されています。

日常的なメンテナンスを怠り、月1回程度、清掃業者が清掃を行うだけでは、グリストラップ内部に問題が発生して機能がストップしてしまう可能性があります。

厨房排水に含まれている大型の食材カスをせき止めるバスケットの中身は、毎日か最低でも2～3日に1回のペースで中身を処分しましょう。

こうした自力での日頃のメンテナンスを欠かさなければ、清掃業者の作業が楽になり、それだけ料金も安く済むようになるはずです。

こうしたメンテナンスもせずにすべてを清掃業者に任せてしまうと、清掃作業の作業量が増え、その分、清掃費用が多くかかります。

自力で可能な部分は自分たちで清掃すれば、清掃業者の作業が少なくなり、費用を最低限い済ませることができるでしょう。

自力のグリストラップ清掃 ②
具体的にはどんな作業か

自力でも行えるグリストラップの清掃として、まず1つ目に第1層にある「バスケットの清掃」を挙げましょう。

バスケットは食材カスが溜まる部分です。繁忙期などでは、おそらくお店を閉める頃にはこのバスケットに大量に食材カスが溜まっているはずです。

この食材カスが溜まった状態のまま放置してしまうと、悪臭が発生したり、害虫がはびこる原因になってしまいますので、基本的には毎日清掃することを心がけてください。

具体的には中身を処分して、取手部分を持ちながら水気をよく切っておきます。

2つ目は「油脂の除去」です。

第2層には厨房排水に含まれている油分が浮いています。これを2～3日に1回のペースで除去していきます。

油脂は第2層で浮いているので、ひしゃくや油除去用のシートで取り除いてください。

3つ目は第3層にある「トラップ管の清掃」です。

トラップ管を清掃する際には、ブラシやタワシを使用して磨いてください。

臭気止めの蓋が付いているトラップ管の場合は、蓋を外してから清掃してください。このとき、蓋にも油分が付着していることもありますので、滑らないように注意しましょう。

トラップ管の清掃は2～3ヵ月に1回の頻度で清掃しましょう。

自力のグリストラップ清掃 ③
注意すべき点

グリストラップ清掃を日頃自力で行うなら、2つのことに注意してください。

1つ目は「ゴミの扱い」です。

グリストラップ内の汚泥と油脂分は「産業廃棄物」の扱いになります。一般ごみと混ぜて処分すると不法投棄の扱いになり、罰金や懲役刑が適用されるので忘れないようにしてください。

2つ目は「ケガに注意する」ということです。

グリストラップを清掃すると、足腰を痛めたり、落下してケガするリスクがあります。

初めてグリストラップを清掃する従業員が作業する場合は、グリストラップ清掃を行ったことがある従業員がきちんと指導して、ケガをしないように努めてください。