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フラッシュバルブの水が止まらない原因と、
交換する方法や費用について解説します。
トイレの水が止まらないというトラブルに困った経験はありませんか。
トイレの水洗方法には、大きく分けて「タンク式」と「フラッシュバルブ式」がありますが、フラッシュバルブ式のトイレで水が止まらない場合、何が原因なのでしょうか?
本記事では、フラッシュバルブの水が止まらない原因と、フラッシュバルブを交換する方法や費用について解説します。
フラッシュバルブの水が止まらない!
交換方法や交換費用を徹底解説
フラッシュバルブの水が止まらない!
交換方法や交換費用を徹底解説
水回りに詳しい方でなければ、「フラッシュバルブ」という用語を聞いたことがないかもしれませんね。
実はフラッシュバルブというのは、誰もが一度は目にしたことがある、ある場所の装置の一種なのです。
フラッシュバルブとは、簡単に言えば「タンクのないトイレのレバー・スイッチ」のことです。
厳密には水圧で操作するバルブのことを指すのですが、そういったバルブは主にトイレに使用されていることから、フラッシュバルブといえばトイレのレバーのことを指すことが多いのです。
該当するトイレをご使用の方は、一度見ていただきたいのですが、フラッシュバルブは、水道管に直接つながっています。
一般的な家庭用のトイレタンク式と異なり、多くの水を貯めておく構造になっていません。
フラッシュバルブのレバーを押すと、バルブが開いて水道管から直接、大量の水が流れます。
このバルブは一定時間が経過すると閉まるため、排泄物を流しきったであろうタイミングで水が止まるという仕組みになっています。
これに対して、トイレタンクの場合は、レバーを引くとタンク内の水が流れ、水道管からタンクに次回用の水が貯められる構造です。
この仕組みの違いにより、フラッシュバルブ式のトイレは「タンクがなくても連続使用できる」というメリットが得られるわけです。
フラッシュバルブは、主に学校やオフィスビルといった施設に設置されているトイレに使用されています。
技術的に見ると、フラッシュバルブには一般家庭用のトイレにはない「実用性」があります。
トイレタンクに水を貯めておく必要がないため、フラッシュバルブ式のトイレは連続使用が可能になります。
つまり、利用人数が多くなりやすい施設系のトイレにマッチしているのです。
実用性に優れているのであれば、一般家庭のトイレでも使えばいいと思うかもしれませんが、問題は「水道管との相性」が必要ということです。
フラッシュバルブは、ある程度の太さ、つまり水圧が相応に高い水道管でないと、十分な効果を発揮できません。
厳密には、給水管径が25A以上であればフラッシュバルブを使えるのですが、一般家庭の場合は給水管径が20A程度なので、足りないのです。
20Aでも一応水を流すことはできるのですが、流せる水量が足りないので、排泄物をしっかりと流せない可能性があります。
フラッシュバルブには「大便器用(一般的にレバー式のタイプ)」と「小便器用(一般的にボタン式のタイプ)」があります。
また、ボタン等がない「人感センサー搭載型」もあります。
フラッシュバルブの水が止まらない!
交換方法や交換費用を徹底解説
便利なフラッシュバルブですが、これが原因で水のトラブルが発生する可能性があります。
その1つが、「フラッシュバルブの水が止まらない」というトラブルです。
フラッシュバルブの水が止まらない原因には以下の3つがあります。
フラッシュバルブの「レバー」が破損していたりすると、水が止まらなかったり、レバー部分から水漏れが起こったりすることがあります。
レバーはトイレの水を流す際に毎回使用するパーツです。
何年も使用していると何百回、何千回と作業するものですから、経年劣化で不具合が生じる可能性は十分にあるわけです。
レバー自体には問題がなくても、接合部が緩んでしまっていたりしても同様のトラブルが発生する可能性があります。
フラッシュバルブの「ストレーナー」というパーツに、異物が溜まっていると、水が止まらない症状が起こることがあります。
ストレーナーはフィルター状の構造をしています。
給水管内の異物を排水管に流さないようにせき止める役割があるのですが、異物が相当量溜まってしまうと、水が止まらない原因になるのです。
ストレーナーに問題が生じている場合、水が止まらない以外にも「水の勢いが弱い」などのトラブルの原因になる可能性があります。
フラッシュバルブ関連のトラブルの原因としては、「給水弁」の故障というものもあります。
給水便の故障は水が止まらないという現象には結び付きにくいのですが、主に「水が出ない・水の勢いが弱い」といった症状をもたらします。
給水弁も給水のための重要なパーツの1つですから、故障すれば水関連の何らかの症状が出てもおかしくありません。
故障箇所を確認する際には、フラッシュバルブを分解する必要があります。
その前に「止水栓」を閉めておくのをお忘れなく。そうしないと、給水管から際限なく水があふれ出てしまいます。
フラッシュバルブの水が止まらない!
交換方法や交換費用を徹底解説
フラッシュバルブのパーツに問題があったり、故障する前にメンテナンスしておくという場合には、フラッシュバルブを分解する必要があります。
ここから先は簡単なことではありませんので、説明を読んで無理だと感じたら、無理をせずに業者に修理等を依頼してください。
フラッシュバルブを分解する際には、最低限、以下の道具を揃えておきましょう。
お使いのフラッシュバルブによっては、これ以外の道具も必要な場合もあります。
・ウォーターポンププライヤー
・ドライバー(マイナスがあれば十分、念のためプラスも用意)
・雑巾、タオル(濡れた個所を拭き取るため)
・歯ブラシ、小型のブラシ(ストレーナーなどを清掃するため)
・シールテープ(フラッシュバルブ全体を交換する際に必要)
ここでは「大便器のフラッシュバルブを分解してストレーナーを手入れする方法」と、「小便器のフラッシュバルブ全体を交換する方法」について説明します。
以下の説明はあくまでも一般的な手順ですので、具体的な方法についてはお使いの便器の取扱説明書を確認してください。
ストレーナーに溜まった異物を取り除いたり、ピストンバルブを交換したりする際には、以下の手順で作業を行ってください。
① 止水栓のカバーを外す(ウォーターポンププライヤーを使用)
② 止水栓を、マイナスドライバーを使って閉める(時計回りに回す)
③ 本体のカバーを外す(ウォーターポンププライヤーを使用)
④ 蓋を固定しているナットを外す
⑤ 蓋を外してピストンバルブを取り外す
⑥ ピストンバルブのフィルター部分を清掃する(歯ブラシ等を使用)
⑦ 上記を逆の手順で実行して元の状態に戻す
⑧ レバーを押してきちんと水が流れることを確認する
⑨ 水が止まらない症状が治まっていることを確認する
⑩ その他、水漏れ等のトラブルが発生していないことを確認して終了
小便器のフラッシュバルブのボタンや給水弁が故障している場合には、それらを単体で交換することはできません。フラッシュバルブごと交換する必要があります。
以下の手順で作業してください。
① トイレにつながっている水道の止水栓を閉める
② フラッシュバルブと便器を繋いでいる給水管のナットを緩める(ウォーターポンププライヤーまたはナットを使用)
③ 給水管を取り外す
④ スパッドを固定しているナットを取り外す(ウォーターポンププライヤーまたはナットを使用)
⑤ パッキンを取り外す
⑥ スパッド本体とスカートパッキンを取り外す(斜めにしないと取り外せないタイプもある)
⑦ スパッドが取り付けてあった穴の周辺を雑巾などで拭き取る
⑧ フラッシュバルブ本体を取り外す(手を使って回せない場合はウォーターポンププライヤー等を使用する)
⑨ フラッシュバルブが取り付けてあった配管を歯ブラシ等で掃除する
ここまでで、古いフラッシュバルブを取り外し、清掃を行ったことになります。
新しいフラッシュバルブを取り付ける作業は、下記の手順で行います。
① 新しいスパッドを便器に差し込む
② スパッド本体にスカートパッキンをかぶせる
③ スパッド本体を持ち上げつつパッキンとワッシャーを差し込む
④ スパッド本体にナットを通して便器に固定する
⑤ 新しいフラッシュバルブにシールテープを巻く(5巻くらいでOK)
⑥ スパッドに給水管を差し込んでナットで固定する
⑦ 新しいフラッシュバルブを取り付け、給水管の位置に調節する
⑧ フラッシュバルブと給水管の間にパッキンを挟み込む
⑨ 給水管の上のナットとフラッシュバルブを固定する
⑩ 止水栓を開ける
⑪ 水を流して、問題が発生していないことを確認して終了
フラッシュバルブを分解したり、フラッシュバルブごと交換する作業を行うときには、次のようなことに注意しましょう。
フラッシュバルブに手を加える際には、「内部の細かいパーツを紛失しない」ことがとても重要です。
特に「パッキン」のように、細かくても重要なパーツをなくしてしまったり、便器に落としてしまったりすると、かなり厄介なことになります。
交換用のパーツはホームセンター等に行けば買うこともできますが、正しいものを探して買ってくる手間がかかる分、修理が完了するまで長い時間が必要になります。
できれば作業場所に雑巾を敷き、その上にわかりやすい配置でパーツを並べていくなどして、分解したパーツを絶対になくさないように工夫してください。
フラッシュバルブの分解や交換作業は、大変多くの手順を経る必要があります。
つまり、それだけ面倒だということですが、それだけでなく、「正しい作業手順を把握するのが難しい」というデメリットもあります。
分解・交換作業の手順は、基本的には「目的のパーツまでたどり着く⇒目的を達成する⇒パーツを逆の手順で元に戻す」というものです。
当たり前の手順だと思うかもしれませんが、実際にやってみると、正しい手順で進めなかったために、正しい位置にパーツをはめ込むことができなくなる可能性があります。
作業手順がややこしくて覚えていられないと思ったら、行う作業をチャート化して紙に書いておき、それを作業場所の見えやすい位置に掲示しておくと良いでしょう。
修理作業を行ったことによって別の問題が発生してしまうことは決して珍しくありません。
正しい位置にパーツをはめ込めなかったり、接続が緩かったり、作業のさまざまな失敗が積み重なって、フラッシュバルブが正しく機能しなくなる可能性があります。
フラッシュバルブの水が止まらない!
交換方法や交換費用を徹底解説
前項では自力でフラッシュバルブを交換する手順を説明しましたが、水回りのプロとしては、やはり専門家である業者に依頼することをお勧めします。
その場合、どの程度の費用・料金がかかるでしょうか。
ここでは「自力で交換する場合」と「業者に依頼する場合」の2つのケースで、どの程度の費用が発生するかをくらべてみたいと思います。
自力でフラッシュバルブを交換する場合にかかる費用は、部品を買ってくるお金です。
交換するパーツの種類にもよりますが、主に1つあたり数千円で購入できるでしょう。
ただし、大便器のフラッシュバルブのように、1つ数万円もする高額のパーツもあります。
自力で交換する際には、使用しているフラッシュバルブのパーツの型式番号などを把握して、同じものをホームセンターか、あるいは工具・資材系のネットショップを利用してください。
業者に修理や交換作業を依頼する場合は、フラッシュバルブの状態や作業内容次第ではありますが、1~3万円の費用がかかるのが一般的です。
部品だけで1万円前後かかるようなケースでは、作業費込みで2~3万円という料金になる可能性が高いでしょう。
部品費用がほとんどかからず、簡単な作業だけで済むケースなら、1万円以下の料金で作業してもらえることもあります。
ただし、対象となるトイレの構造によっては大掛かりな作業が必要になる可能性もあります。その場合には5万円以上の高額な費用が発生することもあります。
業者は契約前に必ず「見積もり」を出してくれるはずですから、その金額を確認して、気になるところがあれば相談・確認してみてください。
契約して作業してもらう業者を選ぶ前に、3社以上から相見積もりをもらうと、その案件では大体どのくらいの料金がかかるのか、つまり業者から見た相場を把握することができるでしょう。
3社の見積もりを比較すれば、おおよその相場がわかり、明らかに金額がおかしい業者や、態度の悪い・おかしい業者を見きわめることもできますので、相見積もりはおすすめします。
この業界にはあまり質の良くない業者もいます。
そういった業者には、「見積もりを出さない」「不安をあおって契約を迫る」「極端に相場と離れた金額を提示する」といった特徴があります。
フラッシュバルブの水が止まらない!
交換方法や交換費用を徹底解説
フラッシュバルブにトラブルが発生すると、安全にトイレを使用できなくなってしまいます。
水回りのトラブルはすべからく早めに解消しなければなりませんが、フラッシュバルブを分解したり交換したりする作業は、水回りの作業に慣れた人が行おうと思っても、非常に苦労してしまうでしょう。
フラッシュバルブに問題が発生したら、信頼できる業者に修理を依頼するのが安全な方法だと思います。
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