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「お湯」でトイレ詰まりを
解消する裏技は本当？

トイレ詰まりを解消する方法に、お湯を使う「裏技」があると言われます。ただ、一方では「絶対NG」だという人もいるようです。

事実はどうなのか、というと、やり方次第ではお湯で手軽にトイレの詰まりを解消できるのは本当です。

そこで、お湯を使ったトイレ詰まり解消のテクニックについて、ポイントを2つ解説します。

ポイント1：トイレで詰まりが起きた原因は何であるかを確認する

1つ目のポイントは「詰まりの原因が何かということを事前に確認する」ことです。

トイレが詰まる原因にはさまざまなものがありますが、大ざっぱに言うと、何らかの異物が排水管のどこかに詰まっているということです。

ということは、何が詰まっているのかということで、お湯が有効なのかどうかも決まるということになります。

お湯を流してもOKなケースは、詰まりの原因が「トイレットペーパー」や「便」それに「水に溶ける製品」の場合です。

というのも、お湯を流してトイレの詰まりを解消する方法は、詰まっているものが水に溶ける性質のものである場合にしか有効ではありません。

とくにトイレットペーパーに対しては効果てきめんです。

水に溶けるのをただ放置して待っているよりずっと早く、トイレの詰まりが解消されるでしょう。

しかし、水に溶けないものや、水を含んで膨張するようなものがトイレに詰まっている場合は、お湯を流すと逆効果になることがあります。

たとえば、最近ではスマホを誤ってトイレに流してしまう人が多いです。

この場合、そこにお湯を流しても、スマホはびくともしません。

むしろお湯を流したことで、スマホがさらに奥まで流されてしまうこともあるでしょう。

このように、詰まりの原因が水に溶けるものだとわかっていればお湯を使うことは「裏技」になりますが、詰まっているのが水に溶けないものだとわかっていたり、そもそも何が詰まっているのかがわからない場合は、お湯は使わないほうが賢明です。

ポイント2：熱湯の使用は絶対に避けること

2つ目のポイントは「熱湯は使用しないこと」です。

お湯と言われると何となく熱い方が効果が上がるような気がしてしまいそうですが、実は便器や排水管というものは熱湯に強くありません。熱湯で傷ついてしまう可能性が高いのです。

そして便器や排水管を傷つけてしまった場合、それを修理するのにかかる費用は、ただの詰まり解消の費用よりずっと高額になります。

詰まりの原因となっているトイレットペーパーなどを早く溶かすためには、お湯の温度は40～60℃で構いません。

ガスコンロや電気ケトルでお湯を沸かすと何度あるかわからないので、温度設定ができる給湯器で40～60℃のお湯を準備するのがおすすめです。

お湯を使ったトイレ詰まりの直し方を具体的に解説します。

使用する湯の温度は40～60度程度まで

まずは、使用するお湯を準備しましょう。

前述のとおり、トイレ詰まりを直すために使用するお湯の温度は40～60℃です。

火傷しないように注意する

お湯が準備できたら、バケツなどに入れてトイレへと運びましょう。

40℃ならお風呂の温度ですから大丈夫だと思いますが、60℃だと火傷してしまうレベルですから、「火傷」には注意してください。

お湯も、量によってはそれなりの重さになりますので、こぼさないように慎重に運んでください。

一気にお湯を流さない

トイレにお湯を流し入れるにあたっては、「一気に流し入れない」ことが重要なポイントです。

トイレは詰まっている状態にありますから、一度に大量のお湯を入れてしまうと便器から汚水が溢れ出してしまうかもしれません。

慎重に少しずつお湯を流し入れ、お湯が便器の奥に流れていくことを確認しつつ、注ぎ足していってください。

トイレ詰まりでお湯と一緒に使うべきもの

トイレの詰まりをお湯で解消する際には、「液体の洗濯洗剤」を混ぜるのもおすすめです。

洗濯洗剤にはタンパク質を溶かす性質があります。便に含まれているタンパク質を溶かしてくれる効果があるわけです。

トイレットペーパーと一緒に便も詰まっている可能性もあるので、洗濯洗剤の効果で便を溶かして詰まりを解消できるでしょう。

ここまで、お湯でトイレ詰まりを解消することについて解説してきましたが、実は、トイレットペーパーや便による詰まりを直すのに、水よりもお湯のほうが効果的だという科学的なデータは存在していません。

おそらくテレビ番組で流された真偽不明の情報が一般化したものと考えられます。

料理する際には、調味料は水よりお湯のほうが溶けやすいですし、お風呂の残り湯で洗濯すると汚れが落ちやすいとも言われているために、そんな連想から、「水よりもお湯のほうが汚れが溶けやすい」というイメージがもたれるようになったのではないでしょうか。

そういうわけで、ほとんどの人は「詰まっているトイレットペーパーや便が溶けやすくなる効果」を期待して、お湯をトイレに使用しているようです。

不正確な情報を伝えるわけにはいきませんので、ここであえて、お湯を使った方法に強い信憑性がないことを指摘しておきます。

世の中には、お湯を使わずにトイレ詰まりを解消できる方法がいくつもあります。

ラバーカップを使う

トイレ詰まりを直す道具の代名詞といえば「ラバーカップ（トイレスッポン）」でしょう。

ラバーカップは先端のカップ状の部分でトイレ内に真空状態を作り出し、引っ張る力によってトイレ内の詰まりを解消する道具です。

ラバーカップの使い方や保管方法については別記事で詳しく紹介していますので、そちらもご覧になってみてください。

ビニール袋を使う

ネットでは、ビニール袋を使った直し方もよく紹介されています。

ビニール袋を数枚、手にはめてから輪ゴムで固定、そのまま便器に手を突っ込んで詰まりの原因を取り除きます。

詰まりの原因が比較的手前側にある場合には有効です。

ペットボトルを使う

これは手元にラバーカップがないときに代用品を作る方法です。

ペットボトルの底から4cmくらいの位置をカットして、切った底の部分は使用しないので捨ててしまってください。

ペットボトルの蓋は外しておきましょう。

カットした底が下になるようにして、トイレの水溜り部分に突っ込みます。

ペットボトルを奥まで突っ込んだら、ゴム手袋をはめた指でペットボトルの飲み口を完全に塞ぎます。

あとはラバーカップと同じような動きでトイレの詰まりを解消します。

針金ハンガー・ワイヤーブラシを使う

針金ハンガーでも固いものだと便器の奥まで入りませんので、素手でも曲げられるくらいの柔らかめの針金ハンガーを使ってください。

針金ハンガーを伸ばして片方の先を輪っか状に曲げます。

輪っか状に曲げた方をトイレの排水管に入れて、針金ハンガーを小刻みに動かしながら詰まりの原因を少しずつ削りましょう。

水に溶けるものが詰まっている場合に利用できる方法です。

排水管洗浄用のワイヤーブラシでも、同じことができます。

重曹とお酢を使う

重曹とお酢の化学反応で泡を作り出し、詰まりの原因を押し流す方法です。

お酢の代わりにクエン酸でも構いません。

重曹とクエン酸をトイレに入れて、1時間ほど待ってから水またはぬるま湯を流し入れて状態を確認します。

これも、水に溶けるものが詰まっている場合に有効な手段です。

高圧洗浄機を使う

強力な水圧で水を噴射する高圧洗浄機で、詰まりの原因を砕いて洗い流します。

高圧洗浄機は水圧が高いので水が大量に跳ね返りますから、跳ね返った水でトイレが水浸しにならないようにビニール袋で便器を覆いましょう。

ただし、固形物が詰まっている場合はそれを押し込んでしまい、事態が悪化してしまうリスクあります。

薬剤を使う

市販されている薬剤や洗剤も、トイレの詰まりを解消できる可能性があります。

たとえばアルカリ性の尿石は、酸性洗剤で洗い流せます。

詰まりの原因に応じた薬剤は効果的ですが、やはり固形物に対しては意味がありません。

上記の方法でもトイレの詰まりを解消できないことがあります。

その際には、トイレ修理のプロである水道修理業者に依頼することをおすすめします。

直らない場合は専門業者に相談を

自力では直せないようなトイレ詰まりには、業者の力を借りるのが一番です。

多少の費用はかかりますが、トイレが使えなくなると生活が不便になりますから、早めに解消するためにも早めに業者に依頼するのがおすすめです。

水道修理業者に依頼すれば、DIYでは直せないような重度のトイレ詰まりも、さまざまな機材を駆使して解消してもらえます。

たとえば、前項でも「高圧洗浄機」を紹介しましたが、家庭用の高圧洗浄機では砕けないような塊であっても、業者が使用する、より強力な水圧で水を噴射する業務用高圧洗浄機ならトイレ詰まりを解消できます。

自力で直すか業者に頼むかの判断

自力で直すか、それとも業者に頼むか、どこで判断すればいいでしょうか。

まず、届かない位置にまで流れてしまった固形物が詰まっている場合は、業者に依頼したほうがいいでしょう。

その場合、便器を取り外すなどの大掛かりな作業が必要になることがありますので、プロの手にゆだねた方が安全です。

また、DIYで作業してみて直せなかった場合も、何度もトライせずに業者の力を借りるべきです。

無理に作業を続けてしまうと便器や排水管を傷つけてしまう可能性があり、そうなると修理費用も高額になります。

トイレの詰まりを業者に依頼する修理費用相場

トイレ詰まりを直してもらうのにかかる料金は、5,000円～3万円ほどが相場です。

幅があるのはなぜかと思うかもしれませんが、具体的にどのような作業が必要かによって金額が変わるためです。

重度の詰まりを大掛かりな作業で直す場合、床や壁などを取り外して作業する必要がある場合など、作業量が多いとこの相場以上になることもあります。