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賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

賃貸の天井から水漏れが発生したらどう対処すればいいか、
応急処置後に問題となる責任の所在問題や保険のこと、
修理費用はどのくらいかかるのかといった点を解説します。

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賃貸アパート・マンションで暮らしていて、天井から水漏れしてきたらどうしますか?

めったにあることではないので慌ててしまうことと思いますが、その間も被害はどんどん広がってしまいますから、早めの対処が必要です。

本記事では、賃貸アパートや賃貸マンションの天井から水漏れが発生したらどう対処すればいいか、応急処置後に問題となる責任の所在問題や保険のこと、そもそも修理費用はどのくらいかかるのかといった点を解説します。

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

コラムの目次

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

賃貸アパート・マンションの天井
から水漏れが発生する主な原因

賃貸アパート・マンションで天井から水漏れが起こることは、じつはそれほど珍しいことではありません。一般的な戸建て住宅と比べると、賃貸アパート・マンションは天井からの水漏れリスクが高いのです。

具体的にどのような理由で賃貸アパート・マンションの天井から水漏れが起こるのでしょうか。

雨漏りによる天井からの水漏れ

もし賃貸アパート・マンションの最上階に住んでいて、天井から水漏れしてきたのなら、その原因はたぶん「雨漏り」と考えられます。

建物の劣化に伴って屋根の防水層が破損すると、そこから雨水が侵入し、最上階の天井から水漏れを起こしてしまうのです。

雨漏りの特徴は、雨天時や、雨の降った後に天井から水漏れが起こることです。晴れの日が続いていると水漏れが起こらない、という場合は雨漏りが原因と考えられます。

上階でのトラブルによる天井からの水漏れ

賃貸アパート・マンションで天井から水漏れする原因で一番多いのは、「上の階からの水漏れ」です。

戸建て住宅とは異なり、賃貸アパート・マンションでは各部屋に水道設備が備わっています。そのため上階の部屋の水回りトラブルが起こると、そこから水漏れが発生して階下に浸水し、天井から水漏れしてくる原因になるのです。

雨でもないのに天井から水漏れしてきたり、その水漏れが継続的に止まらないようなときには、上階での水周りトラブルを疑ってください。

上階の住人が水をこぼしたから水漏れが起こっているとは限りません。「水道管」「排水管」などの破損の可能性も高く、そのどちらが原因かによって水漏れも発生の仕方が異なります。

水道管が原因の場合

上の部屋の水道管が原因という場合は、水漏れは常に発生し続けます。

水道管内には、蛇口を締めていても常に水で満たされているため、水道管が破損した場合は常に破損個所から水が出続けることになり、天井からの水漏れも常に起こり続けます。

排水管が原因の場合

上の部屋の排水管が原因という場合は、水漏れは散発的です。

排水管内部の汚水は、水道設備を使用したときにしか存在しません。このため破損個所からの水漏れも排水時にだけ発生するわけです。

水道管の破損による天井からの水漏れ

賃貸アパート・マンションでは、「水道管の破損」が原因で天井から水漏れしてくることもあります。

賃貸アパート・マンションでは上階との間の空間に配管が位置しているケースも多く、その配管が破損することで水道水や汚水が流れ出し、階下に浸水して天井から水漏れを起こしてしまうのです。

とくに築年数が古い賃貸アパート・マンションの場合、必然的に水道管も老朽化していることになりますので、経年で水道管の品質が変化し、破損してしまうリスクが高まります。

キッチン排水管の構造の違いに注意

中には、水漏れリスクが高い排水管構造をしている賃貸アパート・マンションもあります。

築年数の古い建物の中には、キッチンのパイプに排水ホースを差し込んであるだけの構造をしているところがあり、この場合、パイプの先で詰まった際にすぐに階下に流れ出してしまう可能性が高くなります。

排水トラップと排水管が直結している構造の場合であれば、パッキンの劣化による水漏れのリスクはありますが、下の階への浸水を引き起こすレベルの水漏れが起こるリスクは上記のケースほど高くありません。

このように、住宅構造の違いによって、上の階からの水漏れ被害のリスクは異なるのです。

雨漏りは最上階だけでなく下の階にも雨漏りの水が侵入するケースがあります。
そのため、もし最上階以外の部屋でも「雨の日だけ天井から水漏れする」という場合には、建物の雨漏りを疑ってみてください。

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

賃貸で天井から
水漏れが発生してきたら?

賃貸アパート・マンションで天井から水漏れしてきたら、家電や家具にも被害が及んでしまう前に早めに対処する必要があります。本格的な修理にとりかかる前にやってほしい「応急対処」を解説します。

応急処置を行う

天井から水漏れしてきたら、まずは「応急処置」として、その水がこれ以上床に染みてしまわないようにしましょう。

バケツを置いて水を受け止めるのがオーソドックスな方法です。バケツがなければ不要な布や新聞紙などを敷いて、水を吸水して床が濡れてしまわないようにしてください。

水が落ちる箇所の近くに濡れて困るものがあれば、どこか別の場所に移動させるか、ブルーシートなどで養生して濡れないようにしましょう。

管理会社に連絡する

応急処置をしたら、次は賃貸の管理会社へ連絡しましょう。

上階に住人がいるならその人に確認したり、一刻も早く修理業者に連絡したりしたほうがいいと考えるかもしれませんが、無用なトラブルなどを避けるためには、先に管理会社や大家さんなど、その賃貸アパート・マンションの管理責任がある人に連絡しておいたほうが無難です。その理由はいくつかあります。

・上の階の住人に直接訪問すると揉める可能性がある
・先に修理業者を手配すると余計な費用を支払う必要がある可能性がある
・連絡が遅れてしまうと水漏れの責任を負う必要がある可能性がある

こうしたトラブルを避けるためには、応急処置が完了次第、早めに管理会社に連絡しましょう。

管理会社や大家さんはさまざまな緊急時において連絡する必要があるので、普段から連絡先を明記しておき、必要なタイミングですぐに連絡できるようにしておきましょう。

保険会社に確認を行う

次は「加入している火災保険の保険会社への連絡」です。

天井からの水漏れは、保険契約に明記されている「水濡れ」に該当します(「水災」という項目もあると思いますが、こちらは自然災害によるものです)。

ご加入中の火災保険が、水濡れを補償対象にしている場合、天井からの水漏れによる被害に火災保険を適用できる可能性があります。

もちろん、保険が適用できない場合もありますので、その調査も含めて保険会社に問い合わせて確認しておく必要があります。

応急処置や管理会社への連絡を優先し、緊急性がある行動をひと通り済ませたら、早めに保険会社に連絡して対応を仰ぎましょう。

水災は自然災害によるものであるため、賃貸アパート・マンションの天井からの水漏れであれば「水濡れ」の方が該当する可能性が高いです。

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

賃貸での天井からの
水漏れに関係する保険は?

賃貸アパート・マンションで天井から水漏れして被害が発生して、その被害を全額自己負担することになったら大きな打撃ですよね。そんなときのために「保険」というものがあります。

火災保険

前項でも述べたように、火災保険の補償内容の中に「水濡れ」が含まれていれば、天井からの水漏れの被害を補償してもらえるかもしれません。

火災保険というと、火事の被害を補償してくれるものと思ってしまいがちですが、実は「落雷」「雹災」「盗難」など、保険契約によっては火災以外のさまざまな被害を補償してもらえます。

もちろん補償範囲が広くなるほど保険料も高額なのですが、いざというときの金銭的な被害を最小限に抑えるために、必要な保険契約はきちんと結んでおくといいですね。

賃貸アパート・マンションにおける天井からの水漏れでも、状況次第では「水濡れ」の補償内容が適用されます。水漏れ被害が発覚したら、できるだけ早めに保険会社に連絡して、適用の是非や調査の手配などを話し合ってください。

個人賠償責任保険

次に解説するのは「個人賠償責任保険」です。

天井から水漏れしている原因が上階の住人に責任がある場合に適用される保険・特約です。

個人賠償責任保険とは、契約者およびその家族(保険の適用範囲内の人)が、日常生活において他人に対して被害をもたらし、法律上の損害賠償責任を負った際の損害を補償するための保険です。

上階住人が普通の個人の場合、多額の補償を行うのは簡単なことではありません。そのような場合、この保険に加入していれば、賠償金の負担が楽になります(天井から水漏れしてきた下階の住人にとっては、確実に賠償してもらえることになります)。

個人賠償責任保険は単独の保険として加入するのではなく、火災保険や自動車保険などの「特約」(オプション)として付帯させておくのが一般的です。

もちろん、ご自身が何か失敗して階下に水漏れさせてしまった場合にも、これに加入していれば賠償が楽になります。

借家人賠償責任保険

次は「借家人賠償責任保険」です。

これも水漏れの加害者のための保険契約で、偶然の事故によって借りている部屋に損害を与えてしまった場合に、その部屋の持ち主である大家さんへの損害賠償を補償する保険契約です。

賃貸マンション・アパートは、借りる際に火災保険に加入することが必須となっているところがほとんどだと思います。その火災保険とセット、もしくは火災保険の特約として借家人賠償責任保険の特約を付けるケースが多いです。

施設賠償責任保険

最後に紹介するのは「施設賠償責任保険」です。

この保険は、賃貸アパート・マンションの大家さんが加入する保険契約です。管理責任がある建物に由来するトラブルで住人やその他の人に対して損害を与えた場合に、その賠償費用を補償するための保険となっています。

本記事をお読みの方は賃貸に住んでいる方が多いと思いますが、この保険は、天井からの水漏れの責任が大家さん側にあった場合に、その大家さんを助けてくれる保険です。ご自身が加入するものではありませんが、知識としてもっておくと良いでしょう。

保険契約の面倒なところは、適用できるかどうか、適用できる補償額がいくらか、といったことが条件によって異なるということです。
損害を原状復帰できる補償額を得るためには、スマホの写真など被害状況を正確に把握できる証拠を残しておくことが必要です。

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

賃貸で天井から水漏れしてきたら
被害を賠償してもらえるのか?

賃貸アパート・マンションの天井から水漏れしてきた場合のほとんどは、その部屋に住んでいる人の責任ではないと思います。

それが天災によるものではないなら、責任がないということは、責任がある人に被害を賠償してもらえる可能性があるということです。

被害が明確なら賠償してもらえる

天井から水漏れしたことで被害が発生して、被害内容をきちんと証明できるなら、水漏れ事故の責任がある人から賠償してもらえます。

ただし、賠償請求が難しいケースもあります。

たとえば「金銭的価値以外の価値がある品物が被害を受けた場合」です。

歴史的価値・美術的価値のように、金銭では代替できないような品物が水漏れで使い物にならなくなってしまった場合は、あらかじめ鑑定などによって価値が明確な場合を除き、被害者が要求する金額を賠償してもらえない可能性もあります。

また、「水漏れで精神的苦痛を受けた」というような場合は、賠償ではなく「慰謝料」の請求であり、別問題となります。

賠償請求できる範囲としては、実際に家具や家電類などの弁償だけでなく、水漏れのために住み続けることが難しい場合は、復旧までの仮住まいのホテル代なども請求できることがあります。

相手の保険加入状況や資金力に依存する

第三者の目から見ても被害が明確であっても、賠償が難しいケースもあります。

相手が賠償を補償してもらえるような保険に一切加入しておらず、現金預金などもない場合は、(少なくともその時点では)お金の取りようがありません。

以前、私たちがかかわったケースの中には、相手の保険金支払いが大幅に遅れていたために、被害者が借金してまで保険金が支払われるまでの被害額を肩代わりしなければならなかったようなこともありました。

相手が会社ではなく、普通の一般人だった場合には、その経済的な事情も加味しないと、賠償がスムーズにいくかどうかはわかりません。

こじれる場合は弁護士に相談を

賃貸アパート・マンションで天井から水漏れした場合、その被害からの原状回復には多額のお金がかかることもあります。場合によっては100万円以上にも及ぶ可能性があります。そのような高額な支払いを被害者が全額自己負担しなければならないのは不条理です。

加害者側がどうしても真摯に交渉に応じてくれない場合には「弁護士」に相談する必要もあります。

交渉と法律のプロである弁護士が相手になれば相手も態度を変えるかもしれませんし、仮に裁判になった場合には強い味方になってくれるはずです。

もちろん弁護士費用を支払わねばなりませんが、何もせずに泣き寝入りするよりは納得できる結果に終わるのではないでしょうか。

弁護士などの専門家に依頼する場合は、同様のトラブルを解決した経験が豊富な人を選ぶことが重要です。
たとえば賠償請求のトラブルなのに、離婚問題に強い弁護士に依頼しても役に立たないこともあるからです。

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

賃貸で水漏れしたら
修理業者を呼んだほうがいい?

賃貸アパート・マンションで天井から水漏れが発生したら、できるだけ早めに修理・修繕を行いたいですね。自分自身で修理業者を手配してもいいのでしょうか?

水漏れ修理は管理会社に連絡をしてから

結論から言うと、ご自身で慌てて修理業者を呼ぶべきではありません。

賃貸の場合、自分で設備修理の業者を呼んでしまうと、その業者に対する料金支払いは管理会社や大家さんの負担になるケースも多いのですが、管理側が費用負担するケースでも、住人が先に業者を手配してしまうと、手配した人の負担になってしまうことがあるのです。

「立て替えておいて、あとで請求すれば良いのでは?」「領収証をもらっておけば問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、勝手に修理業者を手配してしまうと、管理側が立て替えたお金を返してくれるとは限りません。

そのため、修理業者を手配する前に、まずは管理会社に天井からの水漏れのことを報告して修理業者を手配してもらうのが一番です。

自分で水漏れ修理業者を手配してもいい場合

もちろん、どんな賃貸アパート・マンションでも管理会社側が修理業者を手配してくれるとは限りません。

場合によっては、住人自身で修理業者を手配することになるところもあるのです。

そのような場合には、ご自分で修理業者を手配しても構いません。

後悔しない水漏れ修理業者の選び方

自分で修理業者を選定することになったら、変な業者を依頼して後悔することのないようにしたいものです。

水漏れ業者のおすすめの選び方は、以下のポイントを踏まえることです。

・創業年数が古い(長く営業している)
・見積もりの担当者の態度が良好である
・見積もりの内容が明確で、不明な点があれば説明してくれる
・依頼したらすぐに来てくれる
・口コミや評判が良い
・過去に依頼して満足度が高かった

これらの項目の1つだけではなく、複数の項目を吟味して総合的に良いと感じられる業者に依頼すれば、失敗するリスクは抑えられるはずです。

自分で業者を手配する際の修理費用の相場

電卓を持っている業者の男性スタッフ

天井からの水漏れの責任がご自身にない場合、修理費用はその水漏れに責任をもつ人(上階の住人か管理会社など)が負担することになります。ただし、場合によっては立て替えなければならない可能性もあります。

自分で修理業者を手配する場合には、修理費用はどのくらいかかるのかということも気になるのではないでしょうか。

天井から水漏れしているということは、水回りの破損が原因ですので、修理費用は数万円から、高くても10万円前後で済むと考えられます。

ただ、「天井から水漏れしている」ということは、修理・修繕は水回りだけではなく、天井そのものも対象になるでしょう。場合によっては周囲の壁や床の修繕も必要になりますからケースバイケースですが、高額なケースだと100万円を超える可能性もあります。

誰が修理費用を負担するのだとしても、無用なトラブルを避けたいのなら、修理費用はなるべく安く済むに越したことはないと思います。

そのためには、天井からの水漏れを確認したら放置せず、速やかに管理会社への連絡を行い、適切な対処を行って被害を最小限に抑えることが大事なのです。

修理業者の選定に時間をかけすぎると、水漏れ被害が拡大して修理費用がさらにかさんでしまうかもしれません。
いざというときのことを考えると、修理業者の連絡先をまとめておくと良いでしょう。

賃貸で天井から水漏れ
してきたらやるべきこと

【まとめ】
賃貸での天井からの水漏れは
速やかに対処して被害を抑えよう

賃貸アパート・マンションの天井から水漏れが発生したら、速やかに対処して被害を最小限に抑えましょう。

必要な対処は管理会社に連絡すればおおまかに把握できるでしょう。そのためにも普段から連絡先をわかりやすくしておき、できる限り早く管理会社に連絡することをおすすめします。

必要に応じて水回りなどの修理業者を手配し、安心できる日常生活を取り戻しましょう。

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階下漏水

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