水道工事会社｜水コネクト
トレーサーガス式
漏水調査の方法と費用

水漏れが疑われる場合は、まず「水道メーター」を確認してみましょう。

家の水道すべての蛇口を締め、それでも水道メーターが動いていたら、家の水道管のどこかで水漏れが起こっていることになります（水道メーターより外の屋外で水漏れすることもありますが）。

水漏れが起こっていることが判明し、それが目に見える場所ではなさそうだという場合には、プロの業者に漏水調査を依頼するのがおすすめです。

とくにマンションのような集合住宅の場合だと、見つけることができない箇所で水漏れが起こっていることで、階下などに被害が及ぶ可能性も否定できません。

漏水調査には次のような意味があります。

第一に「余計な破壊をしなくて済む」ということです。

壁や床の中にある水道管が破損している場合、修理のためには壁や床を剥がす必要があります。

漏水調査をすることで具体的な漏水箇所をきちんと特定できれば、余計な箇所を破壊せずに、必要最低限の作業だけで水漏れを修理できるでしょう。

第二に「複数個所の水漏れを確認し、修理できる」ことです。

とくに配管の老朽化による水漏れである場合、一箇所だけではなく、複数個所で水漏れが発生している可能性があります。

一カ所だけを修理しても、他の箇所で水漏れが発生していたら状況は改善できません。

プロの手による漏水調査を実施すれば、現時点で発生している水漏れについてはすべて把握できるため、すべての水漏れ箇所をしっかりと直してもらうことができます。

水回りのプロである業者に依頼すると、専門的な機材を駆使して、素人では特定できないような水漏れ箇所を特定できます。

業者の漏水調査とはどのようなものでしょうか。

音による漏水調査

音聴棒

「音聴棒」という道具を使い、水漏れで発生している音を増幅して調査します。

音聴棒はネット通販などでも購入できますが、専門的な道具なので安いものではありません。また、調査自体も、場所によっては雑音が混ざるので音聴棒による漏水調査について経験がなければ難しいでしょう。

漏水探知機

「漏水探知機」も音を使った漏水調査で。音聴棒より具体的な水漏れ箇所を特定できます。

ただし、水道管の位置や破損状況によっては、漏水探知機では十分に音を拾えないこともあります。

トレーサーガスを使った漏水調査機

「トレーサーガス」とは、可燃性や毒性などの危険性がない窒素＋水素（一般的には窒素95%・水素5%）の混合ガスです。このガスは再生可能な天然資源で環境に優しく、無味・無臭で、人体にも無害です。

このトレーサーガスを水道管に注入して充満させると、水道管のどこかに破損があるとそこ部分からガスが漏れ、ガス探知機を使うと、地表で検知できるようになります。このように水漏れ箇所を特定するのがトレーサーガス式漏水調査です。

トレーサーガス漏水調査の原理は、ガスの粒子が非常に細かくて空気より軽く、また水素には土やアスファルト、コンクリートなどに浸透する力があるいうことです。

純粋な水素だと引火性が高くて危険ですが、上記のようにトレーサーガスは窒素が95％なので、不燃性であり、かつ非腐食性で毒性もありません。水素は食品添加物(EU認可食品添加物分類番号E949)として認められており、トレーサーガス法は水用パイプの検査に適しているのです。

トレーサーガス式漏水調査を行うことで、音聴棒や漏水探知機では特定できなかった、漏水音のしない、にじみ出るような微少な水漏れが起こっていることを特定できます。

前項で述べたように、漏水調査の方法としては、音を検知するかトレーサーガスを用いるかの2種類があり、トレーサーガス式漏水調査は、音による漏水調査では発見できなかった漏水箇所を発見できることがあります。

トレーサーガスを用いた漏水調査の費用についてですが、「どれだけのガスを注入するか」ということで費用額が決まります、

ガスの量は配管の太さや配管の距離などによって左右するでしょう。

配管の口径が小さく、距離も短い場合なら4万円前後で済むこともありますが、口径が大きく距離も長いと20万～30万円ほどの費用がかかることもあります。

このため、通常の一戸建てやマンションなら、たいした額の費用にはならないことが多いでしょう。しかし、工場や大型商業施設のような敷地規模の大きな施設でトレーサーガス式漏水調査を行うと、大量のガスを注入しなければならず、また何カ所にもわたって作業しなければならないので、時間がかかり、調査費用もかなり大きな金額になることがあります(具体的には業者に見積もりを出してもらわないとわかりません）。

業者に調査を依頼せずに水漏れ箇所を自分で調べることはできるでしょうか。

自分で水漏れ箇所を特定できれば応急処置もできますし、迅速に水漏れを止められることには意味があります。

業者に水漏れ調査を依頼する前に、まずはご自分で水漏れしている箇所の特定を試みてください。

水漏れが発生しやすい箇所

一般的に、家の中で水漏れが起こりやすい場所は「キッチン」「トイレ」「浴室」「洗面所」の4箇所です。

細かく言うと、洗濯機につながっている水道管に水漏れが発生していることもありますので、上記4箇所以外で水漏れが起こることもあります。

水漏れは、水道管が老朽化したり凍結したりしているところに、地震などの大きな衝撃による影響が及んで水道管が破損して起こります。直近の気候や地震の有無などで破損個所をある程度特定できることもあるでしょう。

特に建物の築年数が古い場合は水道管の老朽化が原因である可能性が高いと思われます。その場合は複数の個所で水漏れが起こっていたり、その手前の段階の劣化・破損が起こっていたりするかもしれません。

自分で調査できるのは「目視」

素人の方でも確実に漏水箇所を特定できる方法は「目視確認」です。目に見える水道管のどこかで水が漏れ出ていないかを確認してください。

見える範囲で水漏れしている箇所を確認できなかったら、壁の中や床下などの目に見えない箇所にある水道管から水が漏れているのかもしれません。この場合は業者に依頼するしかありません。

ただし、壁の中で水漏れしている場合は、その部分の壁が濡れているかどうかで気づくことができることがあります。

壁が濡れている異常を発見したら、その壁の中の水道管で水漏れしている可能性が高いので、応急的に濡れている箇所を拭き取り、その場所を業者に伝えましょう。

水漏れしている水道管の破損状況によっては、壁の中から水の音が聞こえたりすることがあります。壁や床に耳を当てて確認してみてください。