水道工事会社｜水コネクト
スッポンなしでトイレ詰まりを
解消する方法

もしかしたら「スッポン」を知らない人もいるかもしれません。

一般的な名称は「通水カップ」と言いますが、スッポンはトイレが詰まった際に活躍する修理道具のひとつです。棒の先にゴム製のカップが付いていて、プロの修理業者も使用します。スッポンはトイレの詰まり解消の最も一般的な道具ですから、突然の詰まりに備えるために常備しておくのがおすすめです。

スッポンはホームセンターや日用品店で比較的手軽に購入でき、価格も数百円から千円程度と手頃です。

スッポンをひとつ常備しておくと、緊急時に慌てることなく対応できるため、安心できるでしょう。

スッポンはトイレ詰まりには欠かせない道具ですが、そもそもトイレはなぜ詰まることがあるのでしょうか。

ティッシュペーパーや流せるシート

トイレットペーパーは水に溶けやすい素材でできているため、通常は流しても詰まりにくいものです。しかし過剰な量を一度に流すと詰まりの原因になってしまいます。

また、流せるシートはその名前の通り水に流せるようにできていますが、トイレットペーパーに比べればやはり溶けにくいので、積み重なると詰まりやすくなります。「流せる」という言葉で商品を過信して大量に流すと、配管の詰まりを引き起こしてしまいます。

高齢者や小さな子どもがいるご家庭では、流せるシートやトイレットペーパーを過剰に使用してしまう傾向があるので、注意しましょう。

生理用品・おむつ

トイレに流してはいけないものとして、次に代表的なのが生理用品やおむつです。

これらは水を吸収して膨らむという性質があるため、排水口内で大きく膨らみ、完全に詰まらせてしまうことがあります。

特に、生理用品は水分を吸収すると元の何倍もの大きさになるため、すぐに配管の中で詰まってしまいます。

おむつも同様に水を吸収して膨張するため、トイレの排水管に詰まると非常に除去が難しくなります。

こうしたアイテムは決してトイレに流さず、必ず専用の廃棄方法を守るようにしましょう。

ペット用トイレ砂（猫砂）

ペット用のトイレ砂、特に猫砂は、トイレに流すと非常に詰まりやすいです。

猫砂は水分を吸収して固まるタイプのものがポピュラーですが、これが排水管の中で固まってしまうと、流れを完全に塞いでしまいます。 砂自体も重く、取り除くことが難しくなるため、ペット用のトイレ砂は必ずゴミとして廃棄するようにしましょう。

トイレ用のペットシートを流してしまった場合も、詰まりを引き起こします。水に溶けにくい素材のため、配管内での分解が非常に困難です。

その他の異物

スマホやおもちゃ、ボールペンなどを誤ってトイレに落としてしまうことがあります。

これらの固形物はもちろん水に溶けませんので、排水管に詰まる原因となります。

特に配管が細い家庭の場合、すぐに詰まってしまい、スッポンを使っても解消できないことが多いでしょう。

スマホなどの電子機器は、水に落ちると壊れてしまうだけでなく、除去も非常に困難です。また、小さなおもちゃやボールペンのような固い異物が排水口に詰まると、プロの業者の手を借りないと取り出せないケースがほとんどです。

「小」で流している

トイレのレバーには「大」と「小」の設定があります。これは流れる水の量を表しており、「大便」「小便」という意味ではありません。

「小」で流す場合は水の量が少なく、軽度の汚れや尿を流す際に使用します。しかし、大便を「小」の設定で流そうとすると、水の量が足りずに汚物が十分に流れず、詰まりが発生することがあります。

特に大便を流す場合には必ず「大」の設定を選ぶようにしましょう。これにより、排水管内に汚物が残らず、詰まりを防ぐことができます。

尿石が溜まっている

長期間トイレを使用していると、尿中の成分が配管内で固まって「尿石」となり、配管内にこびりついてしまいます。この尿石が原因で排水管が細くなり、トイレットペーパーや汚物が詰まりやすくなることがあります。尿石は非常に固く、通常の掃除では取り除けないため、特別な薬剤やプロのクリーニングが必要になります。

定期的にトイレの内部や配管のメンテナンスを行い、尿石の蓄積を防ぎましょう。

トイレタンクのなかに異物がある

トイレタンクの中に異物が入っていると、トイレの正常な機能が損なわれ、詰まりの原因となることがあります。

たとえばトイレタンクに補充された水が少なくなったり、異物が浮き袋やバルブに干渉すると、正常な水の流れを妨げられます。

トイレタンクの異常は見過ごされがちですが、詰まりや水の流れが悪いときには、トイレタンクを一度開けて中を確認し、異物を取り除きましょう。

手洗い管からの水漏れ

手洗い管からの水漏れがトイレタンクの水量不足や詰まりを引き起こすこともあります。

手洗い管からの水がトイレタンク内で溜まらないと、トイレを流す際に十分な水量が確保されません。その結果、汚物やトイレットペーパーが完全に流れきらず、詰まりが発生します。

手洗い管の状態を定期的にチェックし、必要に応じて修理しましょう。

トイレが詰まってしまって、スッポンが手元にないときは、次のような身近なアイテムで解消できます。

代用品①：ペットボトルを使った解消法

ペットボトルは、じつはスッポンの代用品になります。

まず、500mlから1L程度のペットボトルを用意します。ペットボトルの底をハサミやカッターで切り取り、飲み口部分はそのまま残しておきます。この状態でペットボトルを押し引きすることで、スッポンと同じように圧力をかけることができます。

飲み口を塞いだままペットボトルの底部分を便器内の排水口に挿入し、上下に押し引きしてください。この動作でトイレ内の水が押し出され、詰まりを解消させられます。

ペットボトルのいいところは、底を使うため、水を溢れさせずに処理できるところです。ただし力を入れすぎないように注意してください。

代用品②：ビニール袋を使った解消法

ビニール袋も、スッポンの代用として効果的に使えるアイテムです。特に軽度の詰まりに有効です。

なるべく耐久性の高いビニール袋を選び、手を入れてください。強度のあるものなら、しっかりと手を保護しながら作業できます。

手に装着したビニール袋を使って、トイレの排水口を直接押し引きしてください。

自分の手を使って直接水の流れを調整するため、力加減がしやすく、詰まりを解消しやすいというメリットがあります。トイレットペーパーや軽度の汚れが原因の詰まりであれば、短時間で解決できるでしょう。

代用品③：針金ハンガーでの詰まり除去法

針金ハンガーは、トイレの奥に入り込んだ異物を直接取り除ける便利な道具になります。異物が原因の詰まりに特に効果的です。

まずハンガーを真っ直ぐに伸ばして、先端部分を少し曲げてフック状にしてください。これにより、排水口の奥に入り込んだ異物を引っ掛けて取り出すことができます。

フック状にした針金ハンガーをトイレの排水口に挿入し、詰まっている部分にフックを引っ掛けて異物を取り除きます。

便器を傷つけないように慎重に行う必要がありますが、異物が原因の場合、この方法で詰まりを簡単に解消できる場合があります。

代用品④：ラップを使った真空効果での解消法

ラップで真空効果を利用して使ってトイレの詰まりを解消する方法もあります。スッポンがない場合でも、家庭にあるラップを使えば簡単に代用することができるシンプルな手法です。

まず、便器全体をラップで覆います。便器の縁に沿ってしっかりとラップを巻き、空気が漏れないように密着させてください。

トイレのレバーを引いて水を流します。すると、ラップを押し引きすることで真空効果が生まれ、水圧を利用して詰まりを解消できます。

詰まりが軽度の場合は、この方法で簡単に解決できますが、力を入れすぎないように注意しましょう。

代用品⑤：お湯とバケツを使った方法

お湯とバケツを使った方法は、特に軽度の詰まりに有効です。

トイレットペーパーが原因の詰まりに対しては、お湯を使うことで紙が柔らかくなり、詰まりが解消しやすくなる効果があります。

お湯の温度は50～60℃にしてください。それ以上の温度のお湯は便器の陶器部分を損傷させる可能性があるため、沸騰したお湯ではなく、少し冷ましたお湯を使用します。

バケツに入れたお湯をゆっくりと便器に注ぎます。お湯が詰まった部分に浸透し、紙や汚れを柔らかくすることで、詰まりが解消されます。

少し時間を置いてからトイレのレバーを引いて水を流し、詰まりが解消されているか確認します。

代用品⑥：重曹と酢で詰まりを溶かす方法

重曹と酢を使った方法は、自然由来の成分で詰まりを解消する手段です。固まった汚れや石鹸カスなど、有機物の詰まりなどに効果的です。環境に優しく、安全性が高い方法です。

カップ1杯程度の重曹を便器に振りかけ、その後、酢をカップ1杯加えます。これにより、重曹と酢が反応して泡が発生し、詰まりの原因となる有機物を分解しやすくします。この泡が汚れを浮かせ、詰まりの解消に役立ちます。

重曹と酢を注いだ後は最低でも30分から1時間ほど放置してください。反応が進むことで汚れが柔らかくなり、より詰まりが解消されやすくなります。

時間が経過したら、水を流して詰まりが解消されているか確認します。

この方法は、特に固まった汚れや軽度の詰まりに効果的です。

スッポンは多くのトイレ詰まりに対して効果的な道具ですが、どんな詰まりでも解消できるわけではありません。

硬い異物が詰まっている

スッポンは柔らかい物質やトイレットペーパーの詰まりには効果的ですが、固い異物が原因の詰まりには効果がありません。

たとえば、スマホやおもちゃ、ボールペンのような固形物が排水口に詰まっている場合、スッポンの吸引力ではこれらを取り除くことは困難です。

このような場合は、次項で解説する、ワイヤー式クリーナーや業者の助けを借りる必要があります。硬い異物は配管内に留まってしまい、自力での除去が非常に難しいため、無理にスッポンを使い続けるのは避けましょう。

排水管が詰まっている

排水管の奥深くで詰まりが発生している場合、スッポンでは届きません。排水管が長く複雑な場合は、奥で発生した詰まりにスッポンを使用しても効果が現れません。

このような場合は、ワイヤー式クリーナーを使って排水管の奥まで届かせるか、専門業者に依頼して排水管の清掃を行う必要があります。

タンクの水量不足

タンク内の水量が不足していると、トイレを流す際に十分な水圧が得られず、汚物が流れきらないことがあります。

水量が少なかったり、タンクの部品に不具合があったりすると、トイレを流しても排水力が弱く、結果として詰まりが発生しやすくなります。 タンクの水量不足は、スッポンでは解消できない原因のひとつです。

タンクが水量不足になる原因はいくつかあります。

たとえば、タンク内の浮き球やバルブが正常に機能していないと、水が十分に溜まらずにトイレの流れが悪くなることがあります。

タンクのゴムフラップが劣化していると、適切な水量を保持できなくなることもあります。

これらの原因が積み重なると、スッポンを使っても十分な水圧をかけられず、詰まりが解消されません。

タンクを開けて内部の部品が正常に動作しているか、浮き球やバルブが正しく機能しているかを確認しましょう。また、タンク内に異物が入っている場合はそれを取り除けば水量不足が解消されることもあります。

スッポンを買わなくても、市販されている道具やアイテムを使えば、より効率的にトイレの詰まりを解消することができます。

排水管クリーナーを使った解消法

排水管クリーナーは強力な化学成分を含んでおり、頑固な詰まりに効果を発揮します。特に、油脂や石鹸カスが原因の詰まりには、酵素系のクリーナーが有効です。

主に液体タイプやゲルタイプがあり、簡単に使用できるのが特徴です。

クリーナーを便器に注ぎ、製品裏などの使用法にしたがって一定時間放置します。この間にクリーナーが詰まりの原因を分解していきます。

その後、水を流して詰まりが解消されているか確認してください。

製品によっては数回使用する必要がある場合もありますので、使用法をしっかり確認してください。

また、強力な薬剤は配管や便器の素材を傷めるため、使用頻度や量には注意が必要です。化学薬品は目や皮膚に触れると危険なため、ゴム手袋や保護メガネを装着して作業してください。

ワイヤー式クリーナーを使う手順

ワイヤー式クリーナーは、トイレや排水管の奥深くにある詰まりを物理的に除去するための専用道具です。スッポンでは解決できないような深部の詰まりにも対応しています。

ワイヤー式クリーナーをトイレの排水口に挿入し、ハンドルを回転させながら奥に進めます。詰まりの原因に到達したら、ワイヤーを引き抜くことで、詰まりを取り除けます。

ワイヤー式クリーナーは配管の曲がりくねった部分にも到達できるため、特に頑固な詰まりにも効果的です。

使用後は、ワイヤーをしっかりと洗浄し、乾燥させてから保管します。ワイヤー式クリーナーは耐久性が高く、長期間使用できるため、家庭に常備しておくと便利です。

真空式パイプクリーナーでの強力除去法

真空式パイプクリーナーは、スッポン以上の強力な吸引力を発揮し、詰まりを解消してくれるでしょう。圧力を利用して詰まりを一気に解消できるため、頑固な詰まりにも対応可能です。

まず、真空式クリーナーの吸引部分を便器の排水口に密着させます。ポンプを何度か押し引きすることで、強力な真空圧が生まれ、詰まりを排水管から一気に引き出します。

特に頑固な詰まりに対して高い効果を発揮し、スッポンでは効果がない場合に試してもらいたい道具です。

トイレ詰まりを誤った方法で解消しようとすると、状況を悪化させてしまう可能性があります。

熱湯を使わない

前項で、トイレ詰まりに使うお湯は50～60℃と書きました。

これは、便器が陶器製のため、熱に対して脆く、高温の水が直接当たると、便器が割れたりひび割れたりする可能性があるからです。

特に古い便器や、寒冷地では、急激な温度変化が便器にダメージを与えるリスクが高くなります。

また、熱湯が配管内のパイプを損傷することも考えられます。

適切な温度を守ってトイレ詰まり解消の作業を進めてください。

強力な薬剤は乱用しない

強力な薬剤は、使用量や使用頻度に十分注意してください。

強力な薬剤は詰まりを解消する効果も大きいですが、便器や配管を傷めてしまう可能性があります。

特に配管が古い場合は、薬剤が配管を腐食させ、最終的には配管の交換が必要になるかもしれません。

薬剤の取り扱いにも注意が必要です。目や皮膚に触れると危険なため、使用時には必ず手袋などを着用し、換気の良い場所で作業するよう心がけましょう。

無理に水を流さない

トイレが詰まっている状態で何度も水を流すと、詰まった部分に水圧がかかり、詰まりがさらに固くなることがあります。水が逆流してトイレや床に溢れ出てしまう危険もあります。

逆流してくる水は当然汚水ですし、床材や周辺環境にダメージを与え、大変なことになってしまうでしょう。

詰まりが完全に解消されるまでは無理に水を流そうとせず、まず詰まりを物理的に解消してから水を流してください。

水を流すタイミングは、詰まりが完全に取り除かれたことを確認してからが基本です。

また、水が溢れ出すリスクも高まります。

スッポンや代用品でトイレの詰まりが解消されないこともあります。

詰まりがトイレの排水管の奥深くにあるか、もしくは硬い異物が原因で詰まりがひどくなっているような場合です。

スッポンで解決できない場合にとるべき対処について解説します。

スッポンでトイレ詰まりが解消されないときは

スッポンや代用品を試しても詰まりが解消されない場合は、次のステップとして、さらに専門的な道具を使用するか、水回りのプロである業者に依頼することを検討しましょう。

詰まりが排水管の奥にある場合、自力で解決することは非常に困難です。無理に作業を続けるより、専門の道具やプロの力を借りる方が効果的です。

ワイヤー式クリーナーでトイレ詰まりを解消

ワイヤー式クリーナーは、トイレの配管の奥深くに入り込み、詰まりを物理的に除去する道具です。

手元で回転させながら使用できるため、スッポンでは届かない場所に詰まっている異物を取り除くこともできます。

ワイヤー式クリーナーを使っても解決しない場合は、配管に深刻な問題が発生している可能性が高いでしょう。